Sake + Ecology のあるライフスタイル

夏酒

夏酒

先日地元の新聞で夏酒の記事を載せていただきました。

夏酒って正直自分の中でしっくり来ていませんでした。

ひやおろしのような味の乗ったお酒が好きなわたしにとっては、秋までのつなぎのような存在でした。

ですが、今年は夏酒のおかげで大好きな日本酒をもっと好きになりました。

 

日本酒の消費が落ち込む夏。

暑い日にはやっぱりスッキリ、キレがよくて、ガブガブいけちゃうものが呑みたくなりますよね。

夏にビールというは本当に納得です。

それに比べて日本酒はお米由来の糖分や独特の厚みが、ちょっと重たいなという印象を受けてしまいます。

ですが、今では蔵も色々工夫をこらし、いつもよりさらにスッキリした味わい、発泡性のあるもの、アルコール度数が軽いものとバリエーションに富んだ商品を出しています。

 

そんなわけで、今年は夏酒に真剣に向き合ってみました。

いつも真剣なんですが、今年の真剣度はいつも以上。

なぜいつも以上かというと、単純にお酒を売る立場になったからというのが理由です。笑

お客様にも最大限楽しんでもらえる呑み方の研究が、夏酒に関しては特に不十分だったなと今年実感しました。

だから、そのお酒がこの時期に呑みたくてしょうがないと思える呑み方ってなんだろうと色々研究しました。

温度帯を変えたり、飲み方を変えたり、一本の日本酒で色々試しました。

そこで、日本酒のポテンシャルを改めて感じました。

 

試したことは、ロックにしたり、ガス充填をしたり、ソーダで割ってみたり、加水してみたり、シャーベット状にしたり、燗にしてみたり、サングリアにしてみたり、カクテルにしてみたり、、、、、

温度によって、そして呑み方によって表情がこれほどまでに変わるのが楽しいお酒は日本酒が唯一だなと改めて思いました。

 

今回の研究で、これまではどこか日本酒はこうでなきゃいけないという自分で勝手に作り出した枠の中で日本酒と向き合っているということに気がつきました。

特に思っていたのが、日本酒はそのままで美味しい状態で出荷されているのに、それを割るなんて蔵に失礼だということ。

 

そこでふと、最近日本酒を呑み始めた方に言われた一言を思い出しました。

「日本酒って難しいし、敷居が高いものだと思ってた」

実はこの言葉がずっと引っかかっていました。

 

今回、夏酒に真剣に向き合って、答えが出ました。

 

「日本酒は気軽に、自由に楽しむもの。」

えっ、今さらと思われる方もいるかもしれませんが、枠にとらわれてたわたしにとっても新鮮なことでした。

 

もちろん酒屋として、蔵の意向、オススメの温度帯や呑み方の提案はします。

それでもお金を出して日本酒を買ってくださった方が、そのあとどんな呑み方をするかは、もっと自由でいいんだという結論に至りました。

 

こうじゃなきゃいけないなんてなくて、好きに日本酒を楽しんでいいんです。

まずは日本酒を呑んでもらうことも業界の存続を考えると大切なこと。

好きに楽しむぐらいの余白がないと、なかなか新しい飲み手を増やすのは難しいと思いました。

 

改めて言います。

「日本酒は気軽に、自由に楽しむもの」です。

皆さんもオススメの楽しみ方があったらぜひ教えてください!

 

 



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